
2026年3月13日 〜 オシントUPDATE
アメリカ情勢
イラン政権崩壊の可能性は低いとの分析
米情報機関は、最高指導者ハメネイ師の死亡や米イスラエルの攻撃後も、イラン指導部は安定していると判断している。政権は依然として国民への統制力を維持しており、即時の崩壊リスクはないとされる。政府打倒には地上軍の投入が必要になるとの分析も出ている。
カリフォルニアへのドローン攻撃警告
FBIは、イランが米本土への報復として、西海岸沖の船舶からドローン攻撃を仕掛ける計画を立てていたと警告した。時期や標的の詳細は不明だが、カリフォルニア州当局は警戒態勢を強化している。メキシコのカルテルや潜伏工作員の動向も注視されている。
トランプ大統領、市場を意識した戦争指導
トランプ大統領は、経済指標としての金融市場を重視し、イラン戦に関する発言を変化させている。原油高と株安を受けて終戦を示唆し市場を一時回復させたが、依然として経済の先行きは不透明なままである。投資家や消費者の間では、インフレや生活費への懸念が根強い。
イラン戦初週の費用は113億ドル超
米国防総省は、イランとの戦争開始から最初の6日間で113億ドル(約1.7兆円)以上の費用がかかったと議会に報告した。この数字には事前の部隊集結費用などは含まれておらず、今後さらに膨らむ見通しである。議会では政権の戦略や追加予算の必要性について議論が過熱している。
ホルムズ海峡の通航保険計画
トランプ政権は、紛争で混乱するホルムズ海峡の船舶向けに200億ドルの保険プログラムを提案した。米政府が再保険を引き受ける形だが、業界からは保険よりも乗組員の安全確保が最大の課題だとの声が上がっている。海軍の護衛や戦闘の縮小がなければ、通航の完全回復は難しいとされる。
「武官外交官」クーパー提督が作戦を指揮
米中央軍司令官のブラッド・クーパー提督が、中東での人脈を活かして対イラン戦をリードしている。これまでに5,500以上の目標を攻撃し、イランの艦船60隻以上を撃沈したと発表した。提督は政治を避け、AIや新技術を駆使した軍事目標の達成に集中している。
誤爆によりイランの小学校で多数の死傷者
米軍の調査により、2月28日にトマホークミサイルがイランの小学校を誤って攻撃し、子供ら175人が死亡したことが判明した。国防情報局の古いデータに基づいて標的を誤認し、現場での確認も不十分だったことが原因とされる。この事件はトランプ政権の標的選定手続きに疑問を投げかけている。
海兵隊がドローン対策の熱感知遮断マントを導入へ
米海兵隊は、ドローンの赤外線や熱センサーから兵士を隠すための新型カモフラージュマントの開発を進めている。2030年までに約6万着を調達し、戦場での生存率を高める計画である。ドローンによる監視が広がる現代の戦場において、熱シグネチャーの遮断は必須となっている。
アジア情勢
イランが中国の「北斗」をミサイル誘導に利用か
イランが米イスラエルへの攻撃精度を高めるため、中国の衛星測位システム「北斗」を利用している疑いがある。米国のGPSと異なり、中国のシステムは米軍による妨害が困難である。これにより、イランのミサイルやドローンの攻撃能力が大幅に向上した可能性がある。
中東の米軍基地攻撃はアジアへの教訓
イランによる中東の米軍基地への攻撃は、台湾有事の際に中国がアジアの基地をどう狙うかの前兆になると分析されている。サウジアラビアやカタールにある基地の被害から、日本や韓国、フィリピンの基地が直面する脅威が浮き彫りになった。同盟国の防衛能力が今後の焦点となる。
中国軍機による台湾周辺の飛行が2週間停止
台湾周辺で続いていた中国軍機の威嚇飛行が、3月12日まで約2週間停止していた。米中首脳会談を控えた配慮や、中国の政治日程が理由との説があるが、真相は不明である。航空機の活動は止まっていたが、海軍艦艇による活動は継続されていた。
台湾の主要政党が米武器購入の合意を容認
台湾の与野党は、遅れていた米国製の対戦車ミサイルや自走砲など4つの武器購入計画の署名を認めることで合意した。納期遅延を避けるための政治的妥協であり、議会での審査と並行して手続きが進められる。頼清徳政権が進める巨額の防衛予算確保に向けた一歩となる。
オーストラリアが中東に早期警戒機を派遣
オーストラリアは、イランのミサイル攻撃を監視するため、空軍の早期警戒管制機E-7Aウェッジテイルを中東に派遣した。UAEには空対空ミサイルの補給も行い、地域の防衛を支援している。ただし、オーストラリア軍が直接的な攻撃作戦に参加することはないとしている。
北朝鮮、イランの新最高指導者を支持
北朝鮮は、ハメネイ師の後継者に選ばれたモジュタバ氏を支持する声明を発表した。米イスラエルの攻撃を不当な軍事侵略だと非難し、イランとの政治的結束を誇示している。一方で、金正恩総書記は新型駆逐艦からの巡航ミサイル発射実験を視察するなど、軍事活動を継続している。
米、韓国から中東へミサイル防衛転用の可能性
イラン戦の激化に伴い、米国が韓国に配備しているTHAADなどの防衛システムを中東へ移送する可能性が浮上している。韓国側は北朝鮮への抑止力が低下するとして反対している。世界的に迎撃ミサイルの在庫が不足しており、米国の戦略的な優先順位が試されている。
日本、備蓄石油8,000万バレルを放出
日本政府は、中東情勢による供給不安を抑えるため、国内消費の約45日分に相当する石油備蓄を放出すると発表した。日本は原油の約9割をホルムズ海峡経由に依存しており、通航阻害への危機感は極めて強い。IEA(国際エネルギー機関)の枠組みに先駆けた独自の判断である。
次世代戦闘機の輸出ルールを加速
日本は英国、イタリアと共同開発する次世代戦闘機(GCAP)の輸出ルール改正を加速させている。英国の予算遅延などの影響はあるが、2035年の配備目標は維持する構えである。ルール改正により防衛装備品の輸出を拡大し、国内防衛産業の強化を図る。
ヨーロッパ情勢
ウクライナ向け防空システム、イラン戦の影響で危機に
中東での戦争拡大により、ウクライナに供給される予定のパトリオット迎撃ミサイルなどが不足している。米軍がイランの攻撃を防ぐために大量の弾薬を消費しており、ウクライナへの配送が遅れる懸念がある。ゼレンスキー大統領は、防空網の弱体化をロシアに突かれることに強い警戒感を示している。
ウクライナのドローン指揮官が米当局にノウハウ共有へ
ウクライナのドローン部隊の指揮官たちが、ロシア戦での経験を伝えるためワシントンを訪問する。安価な自爆型ドローンで高度な防空システムを補完する戦術などを議論する予定である。この知見は、中東などでドローンの脅威に直面する米軍や同盟国にとって貴重な情報となる。
ペンタゴン、ウクライナの安価な迎撃ドローンに注目
ウクライナが開発した、1機わずか1,000ドル程度の安価な迎撃ドローンに米国防総省が関心を寄せている。高価なミサイルを使わずに敵のドローンを撃墜できるため、コスト効率が極めて高い。米国や同盟国は、このシステムの購入や共同開発を検討している。
ロシア、イランにドローン戦術を助言か
ロシアがウクライナ戦で得た教訓を活かし、イランにドローンの運用戦術を指南しているとの情報がある。防空網を回避するための飛行ルートの変更や、波状攻撃の調整などが含まれるとされる。これに対抗し、ウクライナも中東へドローン専門家を派遣し、迎撃ノウハウを共有している。
ノルウェー軍機、ロシアの偵察機を捕捉
ノルウェーのF-35戦闘機が、演習中に自国沿岸を飛行していたロシアの偵察機を2日連続で捕捉した。ロシア機は位置情報を知らせるトランスポンダをオフにしており、ノルウェー側はスクランブル発進で対応した。NATO演習に伴うロシアの諜報活動が活発化している。
オスロの米大使館爆破未遂で3兄弟を逮捕
ノルウェー当局は、オスロの米大使館に爆発物を仕掛けた疑いでイラク系の3兄弟を逮捕した。負傷者はなかったが、建物の一部が損傷するテロ事件として捜査が進められている。犯行の背景に、現在の中東情勢に関連した外国勢力の関与があるかどうかが焦点となっている。
IEA、過去最大規模の石油備蓄放出
国際エネルギー機関(IEA)は、イラン戦による市場混乱を抑えるため、4億バレルの石油備蓄を放出すると決定した。ホルムズ海峡の封鎖により世界供給の5分の1が停止しかねない状況への緊急措置である。供給不足の緩和を狙うが、インフレや価格変動への懸念は依然として解消されていない。
スペイン、イラン攻撃に抗議し駐イスラエル大使を召還
スペインは、米イスラエルによるイラン攻撃に反対し、イスラエル駐在の大使を永久に召還することを決めた。武器を運ぶ船舶の寄港禁止など、スペインはイスラエルへの批判的な姿勢を強めている。イスラエル側はスペインの対応を激しく非難しており、両国の外交関係は最悪の状態にある。
スペイン副首相、EUの対米姿勢を非難
スペインのディアス副首相は、EUがトランプ政権に従属的な態度をとっていると批判した。ヨーロッパは米国に依存せず、独立した外交・防衛政策を追求すべきだと主張している。EUが戦争を明確に非難しないことが、欧州内での懐疑論や極右勢力の台頭を招くと警告した。
EU、人権侵害を理由にイラン当局者を制裁
EUは、人権侵害に関与したとしてイランの19の個人および団体に対する制裁を承認した。戦争が続く中でも、イラン国内での弾圧を許さないという姿勢を明確にする狙いがある。この措置により、イランの指導層への圧力を一段と強める方針である。
中東情勢
ホルムズ海峡周辺で船舶への攻撃が激化
ペルシャ湾周辺で商船への攻撃が急増しており、イラン側の工作員による自爆ボートやミサイル攻撃が相次いでいる。これにより、複数の燃料タンカーが炎上し、死者も出ている。ホルムズ海峡を通る航路は事実上停止し、イラクも石油港の運営を中断せざるを得ない状況に追い込まれている。
イラン、ホルムズ海峡に機雷を敷設
米情報機関によると、イランが世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡に機雷を設置し始めた。機雷、ミサイル、ドローンを組み合わせた脅威により、民間船の通航はほぼ不可能となっている。長期間の封鎖は世界のエネルギー市場に深刻な混乱をもたらすと懸念されている。
機雷はイランにとって最も強力な武器の一つ
安価で検知が困難な機雷は、イランが米軍に対抗するための非対称戦の鍵となっている。少数の機雷を撒くだけでも通航阻止の効果があり、除去には専門の装備と多大な時間が必要となる。イランの狙いは米海軍の活動を抑止し、船舶の往来を完全に止めることにある。
原油価格が1バレル100ドルを突破
商船への攻撃を受け、原油価格は一時1バレル100ドルを超えた。IEAの備蓄放出発表にもかかわらず、イランが「1バレル200ドルになる覚悟をせよ」と警告するなど、市場の不安は収まっていない。特にアジア諸国での燃料価格高騰が目立っており、世界経済への悪影響が広がっている。
インド籍タンカーの通航許可を巡る情報錯綜
イランがインド籍のタンカーに限ってホルムズ海峡の通航を認めるとの報道が出たが、情報の真偽は定まっていない。インドは原油輸入の多くをこのルートに頼っており、安全確保のために外交交渉を続けている。一方で、インドはロシアからの調達を増やすなど代替ルートの確保にも動いている。
イラクのイタリア軍基地にドローン攻撃
イラクのクルド人自治区にあるイタリア軍基地がドローン攻撃を受け、車両が破壊された。幸い負傷者は出なかったが、高度を下げたドローンが誤って衝突した可能性も指摘されている。イタリア軍は現地でクルド部隊の訓練にあたっており、緊張が高まっている。
イラン、停戦の条件として将来の攻撃停止を要求
イランは、米国とイスラエルが今後二度とイランを攻撃しないと確約することを停戦の条件として提示している。ヨーロッパや中東の国々を介して水面下で交渉が行われているが、米国側がこの保証に応じるかは不明である。イラン大統領は賠償や国際的な保証も求めている。
イラン、米イスラエル系の銀行を標的に指定
イランは、自国の銀行への攻撃に対する報復として、米イスラエル関連の金融機関を攻撃対象にすると宣言した。HSBCやゴールドマン・サックスなどは、中東拠点の一部でスタッフの避難を開始した。さらにグーグルやエヌビディアなどの米IT企業も標的に含まれると警告している。
サイバー情勢
医療機器大手ストライカーにイラン系ハッカーの痕跡
世界的なシステム障害が発生している医療機器大手ストライカーのログイン画面に、イラン関連のハッカー集団「Handala」のロゴが表示された。この攻撃により、Windowsデバイスのデータが消去されるなどの被害が出ている。会社側は従業員にネットワークからの切断を指示し、マイクロソフトと協力して復旧を急いでいる。
サイバー空間が第2の戦場に
米・イスラエルとイランの紛争はサイバー空間にも拡大しており、政府系ハッカーによるインフラや企業への攻撃が激化している。イラン側は軍事力の差を補うためにサイバー攻撃を多用し、イスラエル側もイランの司令部や世論操作へのデジタル反撃を行っている。民間企業が巻き込まれるリスクが一段と高まっている。
米軍、対イラン戦で高度なAIツールを活用
米軍はイランとの戦争において、戦場データの分析や脅威の特定に最新のAIツールを導入している。これにより司令官は迅速な判断が可能になるが、攻撃の最終決定は人間が行うことを強調している。民間人の犠牲やAIの軍事利用に関する倫理的議論が改めて注目されている。
中国、米軍のAI利用を「技術的暴走」と警告
中国国防省は、米軍が軍事作戦にAIを無制限に適用していることを批判し、倫理的な制約が失われるリスクがあると警告した。他国の主権を侵害し、人間のコントロールを超えた「危険な暴走」を招く可能性があると指摘している。中国は国連などの枠組みを通じたAIの国際統制を求めている。
Meta、米国を標的としたイランの世論操作を阻止
Metaは、米国のユーザーを狙ったイラン関連のプロパガンダネットワークを特定し、排除した。ジャーナリストや一般人を装ったAI生成の偽アカウントを使い、米国の対中東政策やイスラエルを批判する情報を広めていた。AIを駆使した巧妙ななりすましが世論操作の手口となっている。
フィンランド、ロシアと中国のサイバースパイに警戒
フィンランドの諜報機関は、同国の技術セクターや政府を標的としたロシアと中国のサイバースパイ活動を警告した。政府機関や研究施設への侵入に加え、GPS妨害などの物理的な混乱も確認されている。サイバースパイは国家安全保障上の最も重大なデジタル脅威と位置づけられている。
国際インテリジェンス戦略研究所(IGSI)