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  CIA元副長官が語る世界最強スパイ機関CIAから学んだ哲学②

CIA元副長官が語る世界最強スパイ機関CIAから学んだ哲学②

情報機関での長いキャリアを通じて、私は「敵対勢力は待ってはくれない」ということを痛感してきた。

彼らは、私たちが予想するよりも早く、時にはこちらの準備が整う前に、適応し、投資し、新興技術を活用する。

これからのグローバル・インテリジェンスにおける大きな競争は、もはや影の中だけで戦われるものではない。未来のツールを開発している研究所、スタートアップ、そして企業の役員室で形作られていく。次の5つの技術は、すでに情報活動の遂行方法を変えつつあり、将来の戦略的優位を決定づけるものとなる。

人工知能(AI):パターン認識から脅威の予測モデルまで、AIは収集と分析の双方を変革している。しかし同時に、敵対勢力が身元を偽装し、偽情報を自動生成し、影響力工作をかつてない規模で展開することも可能にしている。

量子技術:私たちはパラダイム転換の瀬戸際にいる。量子コンピューティングは暗号を根底から覆す可能性を持ち、量子センシングは新たな監視手段を生み出すかもしれない。これを最初に制した者がルールを作る。

自律システム:ドローン、無人潜水機、宇宙配備型センサーは情報収集の方法を変えつつあり、人員のリスクを減らしながら到達範囲を拡大している。自律性とは単に機械のことではない。速度、規模、そして意思決定の優位性の問題である。

デジタル・アイデンティティと生体認証技術:情報活動は信頼(自分の側の信頼と相手側の信頼)に依存している。アイデンティティ、認証、プライバシーをめぐる攻防は、いまや防諜の最前線となっている。

次世代通信(5G以降):高速で安全かつ低遅延の通信は現代の作戦に不可欠だが、同じネットワークを使うと悪用される可能性もある。将来の指揮統制は、誰がインフラを構築し支配するかに左右されるかもしれない。

私たちは機密空間や従来型の調達モデルの枠を超えて考える必要がある。インテリジェンスの未来は、技術者、起業家、そして使命志向のイノベーターとの連携によって築かれている。だからこそ私は、最先端の能力と国家安全保障任務を結びつける活動に深く関わり続けている。

私たちには立ち止まっている余裕はない。

これらの技術のうち、インテリジェンス任務、あるいはあなたが身を置いている自身の業界にとって最も破壊的になるのはどれだと思うだろうか。

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マーク ケルトン

国家秘密本部(NCS)の元防諜担当副⻑官。30年以上にわたりCIAの要職を歴任。4度の⽀局⻑(COS)経験でキャリアの⼤半を敵対的な環境下で勤務。CIAや国家情報⻑官(DNI)などから数多くの殊勲・栄誉賞を受賞。


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