
2026年3月9日 〜 オシントUPDATE
中東情勢
トランプ大統領、イランへ「壊滅的打撃」を警告
トランプ大統領は、イランが「無条件降伏」を拒否した場合、さらなる標的への徹底的な破壊を行うと威嚇した。これに対しイランのペゼシュキアン大統領は要求を非現実的だと一蹴したが、近隣諸国への攻撃は避ける意向を示している。
イラン、次期最高指導者の指名が間近か
米イスラエル軍の攻撃により死亡したハメネイ師の後継者について、イランの専門家会議が合意に達したと報じられた。後継者の正体は未公表だが、イスラエルによる新たな指導者への標的攻撃の脅しもあって選定作業は極秘かつ厳戒態勢で行われている。
イスラエルとイランの応酬激化と国内の反発
イスラエルとイランの間で攻撃の応酬が続く中、イランのペゼシュキアン大統領が近隣諸国へ謝罪したことに対し、国内の強硬派や革命防衛隊から「弱腰」との批判が噴出した。一方でイラン軍は、UAEやバーレーンの米軍基地をドローンで攻撃したと主張しており、緊張がさらに高まっている。
サウジアラビア、イランへ報復を警告
サウジアラビアはイランに対し、エネルギー施設への攻撃が続く場合は報復措置をとると警告した。サウジ側は外交的解決を支持しつつも、攻撃が止まない場合は米軍による自国基地の使用を許可する可能性を示唆している。
イランの「制限なき戦争」戦略
イランは指導部が殺害されても戦闘を継続できるよう、各地域の司令官が独立して作戦を遂行する「モザイク国防」ドクトリンを採用している。この戦略に基づき、湾岸諸国のインフラや海運を標的にすることで、米国の戦争継続コストを増大させる狙いがある。
米イスラエルによる対イラン空爆の戦果
米国とイスラエルは、イラン全土の約4,000カ所を標的に、指導部、革命防衛隊、核施設などを壊滅させる大規模な空爆を実施した。この作戦によりハメネイ師を含む高官が殺害されたほか、ホルムズ海峡での脅威となる艦艇やミサイル発射台も多数破壊された。
中東におけるドローン戦争の変質
安価な攻撃用ドローンが戦況を左右する主要兵器となり、イランのシャヘドに対抗して米国も自律型の低コストドローン「LUCAS」を投入した。専門家は、高度で高価な兵器よりも、安価なシステムを大量生産し、敵の技術を模倣する能力が戦略的価値を持つ時代になったと指摘している。
アジア情勢
中国、戦火の拡大を警告し米中対話を示唆
中国の王毅外相は、イランを巡る戦火の拡大に懸念を示し、即時停戦と交渉への復帰を呼びかけた。習近平主席とトランプ大統領の首脳会談を控え、中国は自国を「世界の安定勢力」と位置づけつつ、米国に対し相違点の管理を求めている。
習近平主席、軍への絶対的忠誠と腐敗撲滅を強調
習近平主席は、人民解放軍が共産党の完全な支配下にあるべきだとして、不忠誠や汚職を一切容認しない方針を改めて示した。これは軍内の綱紀粛正キャンペーンの一環であり、軍幹部の摘発を通じて政治的な引き締めを継続している。
中国、宇宙大国として米国を猛追
中国は2025年に90回以上の打ち上げを成功させ、月の裏側からのサンプル回収や火星着陸を果たすなど、宇宙開発を急速に拡大している。専門家は、中国の官民を挙げた巨額投資により、今後10年以内に宇宙における米国の優位性が脅かされる可能性があると警鐘を鳴らしている。
南シナ海「行動規範」の年内妥結に期待
中国はASEAN諸国との南シナ海における「行動規範」交渉が最終段階に入ったとし、2026年末までの合意に自信を見せた。しかし、法的拘束力や範囲を巡る意見の相違は依然として大きく、実効性のある枠組みになるかは不透明だ。
北朝鮮、核抑止力の重要性を再認識か
アナリストは、米国のイラン攻撃を見た北朝鮮が、体制維持のために核兵器が不可欠であるとの認識を強め、ロシアや中国への接近を加速させると予測している。金正恩委員長は攻撃直後に巡航ミサイルの発射実験を視察しており、海軍力の核武装化を急ぐ構えだ。
中国・ロシア間の国境インフラ拡充を推進
制裁により従来の貿易ルートが寸断される中、駐露中国大使は物流強化のために国境付近の橋や輸送路の増設を呼びかけた。陸路による接続を改善することで、輸送コストを削減し、両国の経済的結びつきをさらに強める狙いがある。
自称「ヤクザ」の日本人が核物質密売で実刑
ヤクザのリーダーを自称した日本人、海老澤武被告が、ミャンマーの武装勢力から入手した核物質をイラン人に売却しようとしたとして、米連邦裁判所で禁錮20年の判決を受けた。この事件はDEAの囮捜査によって発覚し、国際的な犯罪ネットワークによる核拡散のリスクを浮き彫りにした。
アメリカ情勢
トランプ大統領、中南米諸国に中国の影響力を警告
トランプ大統領は中南米・カリブ海諸国とのサミットで、中国による港湾や通信インフラへの投資を警戒するよう呼びかけ、新たな安保同盟を立ち上げた。この動きは、中国の経済的・戦略的な足跡を封じ込め、米国の影響力を再構築する狙いがある。
ボリビア、親米路線へ劇的な外交転換
ボリビアのロドリゴ・パス大統領は、長年の反米路線を脱却し、米国との外交回復や投資誘致を進める方針を示した。経済的苦境を背景に、リチウムなどの資源分野での協力やDEAとの連携再開を目指しており、地域の勢力図に変化が生じている。
同盟国、米国の武器在庫枯渇を懸念
欧州やアジアの同盟国は、米国がイランとの戦争で大量の精密ミサイルや防空兵器を消費していることに危機感を募らせている。自国への武器供給が遅れることで、ロシアや中国、北朝鮮に対する抑止力が弱まることを恐れている。
トランプ大統領、高性能兵器の4倍増産を表明
トランプ大統領は防衛大手幹部と会談し、ミサイルや迎撃システムなどの「極めて高度な兵器」の生産量を4倍に引き上げることで合意したと発表した。背景には、世界各地の紛争による需要急増や、米軍自身の在庫不足解消という切実な課題がある。
UFO・エイリアン情報の公開は停滞中
トランプ大統領が約束していたUFO(未確認異常現象)に関する政府機密の公開は、機密解除プロセスの複雑さから遅れている。公開される文書の多くは、地球外生命の証拠というよりも、軍事技術や監視能力に関する機微な内容になると見られている。
中南米麻薬カルテル対策の連合を創設
フロリダでのサミットにて、トランプ大統領は17カ国が参加する「反カルテル連合」の創設を発表した。米国はカルテルをテロ組織と同等に扱い、軍事協力やインテリジェンスの共有を通じて壊滅を目指す構えだ。
ヨーロッパ情勢
ロシア、ウクライナへの空爆で多数の死傷者
ロシアはウクライナ全土に大規模なドローン・ミサイル攻撃を行い、ハリコフでは集合住宅が着弾して子供を含む少なくとも10人が死亡した。ゼレンスキー大統領は、インフラや民間人を狙った攻撃が続いているとして、西側諸国に防空システムの継続的な支援を訴えた。
ウクライナ、ドネツクのシャヘド保管施設を攻撃
ウクライナ軍は、英仏製「SCALP」や米製「ATACMS」ミサイルを使用し、ドネツク近郊にあるロシアのドローン保管拠点を破壊した。この攻撃により大規模な爆発が発生し、ロシア軍のドローン運用能力を削ぐことに成功したとしている。
ウクライナ製迎撃ドローン、湾岸諸国へ輸出の可能性
イラン製ドローンの脅威にさらされている中東諸国に対し、ウクライナのドローン企業が安価な迎撃ドローンの輸出を計画している。実戦で培われた技術は1機約1,000ドルと安価で、高価なミサイル防衛に代わる有力な対抗策として注目されている。
ロシア、エネルギー価格高騰で思わぬ利益
中東情勢の悪化に伴う原油・ガス価格の上昇により、ロシアのエネルギー収入が急回復している。プーチン大統領はこれを背景に、欧州へのガス供給をさらに削減する可能性を示唆しており、エネルギーを再び外交の武器として利用している。
トルコ、キプロスへのF-16配備を検討か
中東の戦火拡大を受け、トルコは北キプロスへのF-16戦闘機配備を検討していることが明らかになった。これは地域の緊張高まりに対する防衛強化の一環であり、紛争が波及した場合の迅速な対応を目的としている。
民間航空機、紛争拡大によるリスク増大
中東でのミサイルやドローンの飛び交う状況は、民間航空の安全を著しく脅かしており、ドバイなどの主要ハブ空港近辺で欠航やルート変更が相次いでいる。パイロットはGPS干渉や突如出現するドローンに神経を尖らせており、業界全体で安全確保が極めて困難になっている。
サイバー情勢
トランプ政権、攻めのサイバー戦略を発表
トランプ政権は、敵対勢力のネットワークを積極的に妨害する「攻めの活動」を重視した新たなサイバー戦略を公表した。同時に、国際的なサイバー犯罪組織への取り締まりを強化するための大統領令も発令し、官民一体となった防衛を呼びかけている。
政府のAI契約、あらゆる「合法的使用」を容認へ
米国政府の新たなガイドライン案により、AI企業は政府に対し、自社モデルのあらゆる合法的な使用を認める無効化不可能なライセンスを付与することが求められる。また、AIの出力に政治的・イデオロギー的な判断を意図的に組み込まないことも規定されている。
米イスラエル軍、AI活用で戦闘効率が劇的に向上
対イラン作戦において、米イスラエル軍はAIをインテリジェンスの収集や標的選定、ミッション計画に統合し、前例のないスピードと精度を実現した。AIは膨大なデータから特定の兵器モデルを即座に識別し、傍受した会話を要約するなど、戦場の意思決定を根底から変えている。
FBIの監視ネットワークに中国系ハッカーの侵入疑惑
中国政府に関連があるとされるハッカー集団が、FBIの国内監視命令データを保持する内部ネットワークに侵入した疑いが浮上した。FBIは不審な活動を特定し対応済みとしているが、議会関係者への通知が行われるなど、深刻な事態と受け止められている。
北朝鮮ハッカー、AIを駆使して身分偽装
マイクロソフトの報告書によると、北朝鮮のハッカー集団がAIツールを使用して偽のデジタル身分を作成し、海外の技術職をリモートで獲得する手法を強めている。彼らはAIを使って標的の調査や攻撃の自動化を行っており、侵入後の意思決定も高速化させている。
国防総省、AI導入の責任者に「DOGE」出身者を任命
ペンタゴンは、イーロン・マスク氏の政府効率化活動に関わったギャビン・クリーガー氏をチーフ・データ・オフィサーに任命した。クリーガー氏は、米国のAI研究所と連携した軍事AIプロジェクトの推進を担うが、過去のSNS投稿などを巡り一部で物議を醸している。
国際インテリジェンス戦略研究所(IGSI)